Health Information Engineering健康情報工学
高信頼IoTプラットフォーム
概要
まだ実現されていない健康情報流通社会を創出するために、ウェアラブルデバイスなどのIoT機器から取得された健康に関するデータを、個人の意思と権限でデータ利用企業に提供し、データ利用企業からデータ提供ユーザーに利益・恩恵が還元されるプラットフォームの研究開発を行っています。
内容
当社は創業時からシステム開発の事業を行っており、証券・銀行などの金融機関向けシステム開発などの実績があります。それら経験を活かし、ウェアラブルデバイスなどのIoT機器から取得された健康に関するデータを、個人の意思と権限でデータ利用企業に提供できるプラットフォームの研究開発を進めています。
プラットフォームは、認証技術をはじめとしたセキュリティソリューションとも組合せて技術的な対策を行うことにより、高信頼性の確保を実現しようとしています。
この高信頼IoTプラットフォームに複数のウェアラブルデバイスから取得されたデータや日々の活動・健康情報を一元的に保管して、データ提供ユーザーの意思と権限で企業にデータを提供し、データ利用企業からデータ提供ユーザーに利益・恩恵が還元できる仕組みを構築して、健康情報流通社会を創出しようとしています。
これが実現されれば、データ利用企業は低コストで多くのデータを入手して事業に活用することができ、ひいては社会的な健康寿命の延伸や医療費低減に貢献できるものと信じています。
健康情報管理画面
ヘルスケアIoTコンソーシアムの設立
概要
当社は「健康データ提供ユーザーにはインセンティブが還元される、健康情報流通社会」を創出するために、ヘルスケアIoTコンソーシアムを発起人として設立し、医療、食品、金融、自動車、電気機器、建築などの多種に渡る業種の企業や、多くの大学・研究機関に加入いただき、シンポジウムやワークショップなどの活動を推進しています。(2018年5月時点で104会員)
内容
当社は「情報提供ユーザーにはインセンティブが還元される、健康情報流通社会」を創出するために、ヘルスケアIoTコンソーシアムを発起人として設立し、高信頼IoTプラットフォームの研究開発を中心として、ワークショップなどの各種活動に参加しています。
ヘルスケアIoTコンソーシアム(会長:東京大学大学院教育教育学研究科 山本義春 教授)は、個人の健康・行動・環境等のデータを個人が管理・運用し、個々人が自身の生活の質を向上させるために健康意識を高め行動変容を起こす「ヘルスケア情報流通インフラ」と、それを支える「IoTプラットフォーム」を構築し、ヘルスケア関連産業の活性化、新規事業の創出支援、国民医療の経済性向上を目的とした産業横断的組織です。
ヘルスケアIoTコンソーシアムの目指す社会 https://healthcareiotcons.com/
近年、国民医療費は42兆円にものぼり、医療分野だけでなく、健康増進などにより未病領域にも医療費削減が期待されており、厚生労働省も「国民の健康寿命が延伸する社会」の構築を目指した取り組みを推進しています。
また、経済面でもヘルスケア産業の創出・活性化が期待され、特にIoTやAIを活用するとともに、健康情報のビッグデータ化とその解析が注目されています。
それら技術やデータの利活用が期待される反面、プライバシー・個人情報保護、情報セキュリティ対策、データ提供者への利益・恩恵還元、などが課題となっていました。
それら課題を解決するために、当社のシステム開発、情報セキュリティソリューション、個人情報保護の取り組みに関する知見を活かし、高い信頼性と真正性が確保されたIoTプラットフォームの構築に取り組んでいます。
現在は、「健康経営」をテーマに置き、運動量、食事、精神、健康診断などをデータ流通および利活用についての実証実験を行っています。
具体的には、日々の歩数や消費カロリー、トレーニングの実施状況、食事の写真を記録して、長期間のデータを可視化して傾向を調べ、生活習慣の改善に役立てたりしています。
また、健康診断の身体的な数値や血液成分の数値を記録して、いつでも確認ができる状況にすることにより、健康意識の向上と行動変容の取り組みを行っています。
これら仕組みはユーザー本人が利用して自発的な行動を期待するだけでなく、東京大学、大阪大学と協力して、人工知能等を活用したユーザーの行動に介入する技術の確立も目指しています。
大阪大学との共同研究講座
概要
2017年4月に大阪大学基礎工学研究科内に健康情報工学共同研究講座を設置し、健康リスクの予測、制御に関する研究技術開発を行っています。
講座のミッション
IoT(モノのインターネット)/ICT(情報通信技術)の発展・普及により、我々の日常生活下における様々な生体・生活情報の取得が可能になりつつあります。
近年、このような「日常生活ビッグデータ」の健康・医療分野への応用とそれを活かした新規サービスの創出が強く期待されています。
しかしながら、IoT/ICTで取得されるデータは、従来の臨床診断の枠組みにはない非医療情報であるため、その取り組みが難航しています。
本講座では、近未来のIoTの時代を念頭に、日常生活情報の健康・医療分野における利活用・価値創造に関する研究・技術開発を推進します。 企業との共同研究講座の利点を活かし、研究成果の迅速な社会実装を実現することを目指しています。
大阪大学健康情報工学共同研究講座 http://www.sangaku.es.osaka-u.ac.jp/course/
メンバー
特任教授 中村 亨
特任研究員 李 俐
大阪大学大学院基礎工学研究科 教授 野村 泰伸(メンター)
東京大学大学院教育研究科 教授 山本 義春(招へい教授)